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"ゼロコスト"・サーバーレスアーキテクチャの正体 - Vol.10

"ゼロコスト"・サーバーレスアーキテクチャの正体 - Vol.10

なぜ、AWSを使わなかったのか?

エンジニアとして「サーバーレス」と聞くと、まず思い浮かぶのは AWS LambdaDynamoDB の組み合わせでしょう。 堅牢で、スケーラブルで、プロフェッショナルな標準構成です。

しかし、今回のプロジェクト(地方のテイクアウト専門店)で私たちが選んだのは、それらではありませんでした。 選んだのは Cloudflare PagesGoogle Apps Script (GAS) です。

その理由はたった一つ。**「ランニングコストをゼロにするため」**です。

地方店舗における「固定費」の重み

月額数千円のサーバー代。 大企業にとっては誤差ですが、個人の飲食店にとっては「無視できない固定費」です。 特に、予約が入るかどうかわからない閑散期にも課金され続けるシステムは、経営の負担になります。

そこで私たちは、以下の構成を採用しました。

  1. フロントエンド: Cloudflare Pages (Free Plan)
    • 静的アセットの配信。帯域幅無制限。
  2. バックエンド: Google Apps Script (Free)
    • 予約フォームのPOST受け皿。Googleアカウントがあれば無料。
  3. データベース: Google Sheets (Free)
    • 注文データの保存。

AWS Lambda との比較

もちろん、AWS Lambdaも無料枠ならコストはかかりません。しかし、VPC設定、NAT Gateway(これは高い!)、API Gatewayの設定など、インフラ構築の学習コストと保守の手間は膨大です。

もしあなたが「インフラエンジニアとしてのキャリア」を目指すなら、迷わずAWSを選ぶべきです。複雑な構成を学ぶには最高の教材です。

AWS Lambda実践ガイド 第2版

大澤 文孝

Recommend: 「やっぱりAWSでガッツリ作りたい」という方にはこの本。サーバーレスの基礎から実践的な構成パターンまで網羅されています。今回のプロジェクトとは真逆のアプローチを知ることで、技術選定の視野が広がります。

しかし、「クライアントに最大の価値(安さと早さ)を提供する」 ことが目的なら、Cloudflare & GAS は最強の選択肢になり得ます。

GAS の限界と、それを超える工夫

「GASなんておもちゃでしょ?」 そう思うかもしれません。確かに制約は多いです。

  • 実行時間の制限(6分)
  • 同時アクセスの排他制御
  • クォータ制限

ですが、適切な 排他制御(LockService) と、フロントエンドでの バリデーション を組み合わせることで、月間数千件の予約程度なら余裕で捌けることが実証できています。

まとめ

技術選定に正解はありません。あるのは「要件に対する最適解」だけです。

  • 規模: 小〜中規模
  • 予算: 極小
  • 保守: エンジニア不在でもGoogle Sheetsなら触れる

この条件が揃ったとき、“ゼロコスト” サーバーレスアーキテクチャは輝きを放ちます。

次回は、この「安すぎて不安になる」システムを支える、End-to-End 自動テスト (Playwright) の話です。 安く作っても、品質まで安くしてはいけませんからね。


🤖 Antigravity Prompt

今回のサーバーレス構成をAIと検討する際に使えるプロンプト例です。

あなたは、予算制約の厳しい小規模プロジェクトのアーキテクトです。
以下の要件を満たす、ランニングコストが(可能な限り)ゼロに近いWebアプリケーション構成を提案してください。

**要件:**
1. 月間アクセス: 1万PV程度
2. 機能: お問い合わせフォーム、予約受付(DB保存必須)
3. 運用者: 非エンジニア(Excel操作は可能)

**除外事項:**
- 維持費がかかるVPSやRDBの利用
- 複雑なデプロイパイプライン(FTPなどはNG)

推奨するスタック(ホスティング、Backend、DB)と、その選定理由を教えてください。
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