"ゼロコスト"・サーバーレスアーキテクチャの正体 - Vol.10
Project Dev.Log
- 1なぜ Astro × TailwindCSS なのか? - Vol.1
- 2VS Code + Agentic AI 最強の執筆環境 - Vol.2
- 3Astro × Google Sheets で作る、サーバーレス予約システム - Vol.3
- 4SEOとの戦い & Canonical問題 - Vol.4
- 5季節限定LPの爆速構築 - 恵方巻き予約 - Vol.5
- 6「美味しそう」を伝える画像最適化 & メニュー管理 - Vol.6
- 7「Cmd+K」で呼び出す、爆速のサイト内検索体験を作ろう
- 8「記事を書くだけ」で終わらせる。OGP画像生成とSEOの自動化
- 9サーバーレス時代のバグハント: Astro View Transitionsとフォーム二重送信の怪 - Vol.9
- 10"ゼロコスト"・サーバーレスアーキテクチャの正体 - Vol.10
なぜ、AWSを使わなかったのか?
エンジニアとして「サーバーレス」と聞くと、まず思い浮かぶのは AWS Lambda や DynamoDB の組み合わせでしょう。 堅牢で、スケーラブルで、プロフェッショナルな標準構成です。
しかし、今回のプロジェクト(地方のテイクアウト専門店)で私たちが選んだのは、それらではありませんでした。 選んだのは Cloudflare Pages と Google Apps Script (GAS) です。
その理由はたった一つ。**「ランニングコストをゼロにするため」**です。
地方店舗における「固定費」の重み
月額数千円のサーバー代。 大企業にとっては誤差ですが、個人の飲食店にとっては「無視できない固定費」です。 特に、予約が入るかどうかわからない閑散期にも課金され続けるシステムは、経営の負担になります。
そこで私たちは、以下の構成を採用しました。
- フロントエンド: Cloudflare Pages (Free Plan)
- 静的アセットの配信。帯域幅無制限。
- バックエンド: Google Apps Script (Free)
- 予約フォームのPOST受け皿。Googleアカウントがあれば無料。
- データベース: Google Sheets (Free)
- 注文データの保存。
AWS Lambda との比較
もちろん、AWS Lambdaも無料枠ならコストはかかりません。しかし、VPC設定、NAT Gateway(これは高い!)、API Gatewayの設定など、インフラ構築の学習コストと保守の手間は膨大です。
もしあなたが「インフラエンジニアとしてのキャリア」を目指すなら、迷わずAWSを選ぶべきです。複雑な構成を学ぶには最高の教材です。
AWS Lambda実践ガイド 第2版
大澤 文孝
しかし、「クライアントに最大の価値(安さと早さ)を提供する」 ことが目的なら、Cloudflare & GAS は最強の選択肢になり得ます。
GAS の限界と、それを超える工夫
「GASなんておもちゃでしょ?」 そう思うかもしれません。確かに制約は多いです。
- 実行時間の制限(6分)
- 同時アクセスの排他制御
- クォータ制限
ですが、適切な 排他制御(LockService) と、フロントエンドでの バリデーション を組み合わせることで、月間数千件の予約程度なら余裕で捌けることが実証できています。
まとめ
技術選定に正解はありません。あるのは「要件に対する最適解」だけです。
- 規模: 小〜中規模
- 予算: 極小
- 保守: エンジニア不在でもGoogle Sheetsなら触れる
この条件が揃ったとき、“ゼロコスト” サーバーレスアーキテクチャは輝きを放ちます。
次回は、この「安すぎて不安になる」システムを支える、End-to-End 自動テスト (Playwright) の話です。 安く作っても、品質まで安くしてはいけませんからね。
🤖 Antigravity Prompt
今回のサーバーレス構成をAIと検討する際に使えるプロンプト例です。
あなたは、予算制約の厳しい小規模プロジェクトのアーキテクトです。
以下の要件を満たす、ランニングコストが(可能な限り)ゼロに近いWebアプリケーション構成を提案してください。
**要件:**
1. 月間アクセス: 1万PV程度
2. 機能: お問い合わせフォーム、予約受付(DB保存必須)
3. 運用者: 非エンジニア(Excel操作は可能)
**除外事項:**
- 維持費がかかるVPSやRDBの利用
- 複雑なデプロイパイプライン(FTPなどはNG)
推奨するスタック(ホスティング、Backend、DB)と、その選定理由を教えてください。

